木造住宅密集地域では、路地に生活感があふれ出て、密集地特有の路地コミュニティが形成されている。住民と路地の間には曖昧な境界があって、それは公私どちらにも当てはまらないような曖昧で緩い領域があり、それが木密らしいコミュニティを生んでいる。また、小さいスケールのものの集まりで、必要最低限のものだけプライバシーを守りつつ、共有できるものは共有するというのも小さく住むための木密らしさではないだろうか。そこで本計画では、木密らしさを継承しつつ、住宅地として計画敷地の復活を図る。 狭いがゆえに生活やモノが自然と外部へあふれ出してゆく。内部にいたのにいつの間にか外部になっている。外部空間に出て生活し、そして、それぞれの住人の領域がまざり合い、そこではコミュニティが生まれる。この領域が町に広がってゆくことで、無意味な隙間だらけだった密集地域により豊かな空間が生まれてゆくだろう。

diploma 2009

山中 友希

"まざり合う空間 ―人と生活とモノ―"
日本大学理工学部建築学科2009年度 卒業設計審査会 10選

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