銀座の街には多くの画廊が存在している。このような街は世界的に見ても非常に珍しい街である。まるで美術館の展示室を街中にこぼしたようである。しかし、街中に分散している画廊は互いに関係を持っていない。もし、分散している画廊をつなぐ空間があったのならば、銀座の街全体が分散型美術館となり、日本中、そして世界中に美術を発信する美術都市になりえるのではないだろうか。本計画は、銀座に分散する画廊をつなぐ拠点となる空間を提案することで、銀座の街を美術都市とすることを目的とする。 画廊の拠点となる空間とは建築自体が情報を発信することのできる空間であると考えた。そのため、空間構成を多角的に視線が抜ける構成とすることで、建築の外部においても内部においても視線が抜け、多くの情報を視覚的に得ることができる。また、そのような構成においては、積層された機能同士が視線によってつながるため、行為が拡大していく。